薦田 努
Tsutomu KOMODA

EAPクラスでは、全体を底上げする力になればと、自ら発信し一石を投じることもありました。発信して化学反応を楽しみたい。お互いに影響を与え、貰い、プラスのものを積極的に取り入れ活力にしたいと、違った目線の方との交流にも積極的です。

〈Profile〉eMC2019 年取得、千葉県在住。NECライフキャリア株式会社 メンタルヘルスサポートユニット カウンセラー。趣味は街並み景観を巡るプチ散歩 (含む喫茶店巡り)。

今を生きている

 長年NECで仕事をされている薦田さん。入社後の約30年間は、官公庁系の事業推進業務をされていました。45才から兼務で営業推進も担い、多忙な日々を送ります。53才からは人事労務領域で、キャリア支援、転進支援、メンタル復職支援に携わります。
 57才で定年退職を迎えた後、NECマネージメントパートナー人事サービス事業部を経て、NECライフキャリアのメンタルヘルスサポートユニットへ。現在、カウンセラー業務を行っています。以前『こるCor』に登場したのは、2020年(CorNo.10)のことでした。
「春の総会の『EAPメンタルヘルスカウンセラー活動コンテスト2020』では『優秀実践賞』をいただきました。それは、その後の実践行動に活きています。『こる』の記事は、EMCA主催の研究会や社内外勉強会で、自己紹介を兼ねて、コミュニケーションツールとして活用させていただきました。
 他者に『私が何者か』を知っていただくことで、新たな出会いにも繋がりました。資格の活用方法や課題の悩みに対して社内外で相談を受けるなど、多岐に渡る相談支援の場をいただくことができました。他者の支援を仰ぐことには意味があります。それぞれの相談支援の場面で、そのことを受け入れてもらえると、『相手への依存ではなく、課題に向き合う思考や行動へ移行することができた』と喜ばれます。そのようなお話をお受けすることで、『今を生きている』と実感しています。
 同時に、『マルチタスクで何でもできるわけでもなく、さまざまな専門資格を取ればよいことでもありません。スーパーマンにはなれないので、24時間をいかに工夫し、自己と他者に向き合うことができるか?』と自ら感じており、そうお伝えすることも少なくありません。健康や家族も大事です。疎かにして、がむしゃらに学んで進んでいく人も多いと感じております」。

自分のリソースを増やすこと
の大切さ

「『専門性を高める・活かすため』の行動としては『国際EAPコンサルタントCEAP(※1)への挑戦』を行いました。『企業の枠を超えた社会課題解決の一助となれる自分でありたい』への行動としては、その学び続ける場を見つけるために『TOMH(※2)への参加』を計画し、実行できました。
自分のリソースを増やすためには、生涯学習が大切ですね。さまざまな専門家と、細くても良いので、繋がりが持てる環境に身を置くこと、または、その準備ができる状態であること。その結果が、自己の成長とともに私を支えてくれる周囲への還元に通じると、実感しつつあります」。
(※1:Certified Employee Assistance Professional、国際EAP協会認定EAプロフェッショナル)
(※2:UTokyo Occupational Mental Health Training Program、東京大学大学院医学系研究科デジタルメンタルヘルス講座「職場のメンタルヘルス専門家養成プログラム」)


EMCA機関紙「こるCor No.10(2020)での活動コンテスト受賞の記事

自分を振り返るということ

 薦田さんは、転機ごとに自分を振り返ったものを資料にまとめます。過去に書いたことと、表現が変わることもある。自分に対しての気づきもあり、相談対応の際に役立つこともあります。
「寡黙で実直な父と、社交性ある母を持つ一人っ子。両親の良いとこ取りをさせてもらえたのかもしれません。独りでブロック遊びをすることが好きな一方、年上のグループにもスッと馴染めました。小学校時代は考古学に興味を持ち、県展の特選に入選するぐらい書道に打ち込み、スキーでは自分なりの滑りを極めようとしました。
 試行錯誤すること、もがくことを無意識に楽しんでいたのかもしれませんね(笑)。「探求心」「継続性」「調和」「協調」などがキーワードで浮かんできます。
 社会人となって、クリフトンストレングス・テストを受けました。その結果、私の強みは[ポジティブ][アレンジ][学習欲][最上思考][収集心]がトップ5でした。外れてはいないかもしれませんね。
 20~30代は煩雑で多忙な日常に枠を感じることもあり、この日常がいつまで続くのか、空虚感も併せて感じていた時期。40~50代前半は停滞感を強く思いながら、動けない自分がいたような時期。50代後半からは漠然としていたけれど、何かが掴めそうとか、新たな転機の予感があった時期です。
 そして現在、人生60年ほど生きてきたことが、少し社会に役立っているかも? と感じ始めてきたところです」。


さらなるステップに向かって常に行動している薦田さん

遅咲きですが

 衛生管理者から、キャリアコンサルタント、産業カウンセラー。そしてEAPカウンセラーを取得し、『こる』登場後は、EAPコンサルタント、CEAP、TOMHを取得。薦田さんは、必要に迫られてスキルを習得してきました。それは性別年代問わず、社内外のさまざまな職種の背景を持った方々との接点にもなり、対人支援を本務とする原点ともなったのです。
「傾聴力、観察力は高まってきたように感じています。初動で動くときもあります。上司や部下、別職種同士では、立場や見方が違いますので、互いにあまり理解ができていないなと、外国語ではないけれど共通言語が必要だなと思うことがあるんです。私、柔らかく話しやすい感じを受けるようで、橋渡しをする役割も多くなりました。
 例えば、上司が婉曲な伝え方をして、部下がダイレクトな受取方を好み、部下は、どうにも上司の言うことに納得がいかないことがありました。間に入ってお互いの想いを伝えましたら、『薦田さんから説明されるとよくわかる』と言ってもらえました。1次予防になったようです。
 復職支援した方にも『生きることに元気が出た。家族生活が好転した』と言ってもらえたり、プライベートでは勉強会や旧友たちとの集まりで、人生の転機や停滞期の方に少し前に進めるお手伝いができました。
自分が補う役割をすることで、組織貢献や生産性に繋がったり、その方の今後の選択に良い役割ができたらと思っておりました。遅咲きですが、トレーニングをして良かったです。上手く活用できています」。

『いきいき職場』請負人に!

「上司になる立場の方々からは、部下のメンタル一次予防に関わる懸念を吐露されることが増えましたね。個人からは、あらゆるジャンルに及びます。私は事業ラインでの実務経験とマネジメントを理解した上での第三者であり、資格のある専門家でもあります。周囲からの期待を感じられます。『相手を知る、自分を知る』『相手に自分をどう伝えるかの伝え方』について、深く考えるようになりました。
 鮮度の高い情報に触れることへの欲求も高まりましたね。自発的な継続学習の機会に取り組んでいます。ノートルダム清心学園の理事長を務められた渡辺和子氏の名言『置かれた場所で咲きなさい』を実践しています。
 この先は、『いきいき職場』請負人の第一歩!を目指します。個人に対しても職場でも、センサー高く興味を持って観察し、企業の枠を超え地域を越え、多くの職種の連携を機能させ、社会課題解決支援に動き出したいと考えています。笑顔で気づきを伝え、共に悩み、活力に変えていきます!」。


休日のプチ贅沢ランチにて・デザートにご満悦!