やなせ なつみ
Natsumi YANASE

声優の傍ら、eMC、米国NLP協会™NLP認定コーチングトレーナー、小学校英語標準認定指導者資格など多数の資格を巧みに使い分けた眩しいばかりの活躍ぶりは、まさに変幻自在に声を操るプロの声優ならでは!でしょうか?なつみさん!

〈Profile〉eMC2020年取得、東京都在住。「やなせなつみ」名義で、声優、声優・インプロ講師、NLPコーチングトレーナー、ライターなど複数の活動を行う。お笑い、イベント企画運営、グッズ制作活動が趣味。

現在の仕事へのつながり

 かわいらしいカナリアヴォイスで優しく語るやなせさん。現在はフリーランスとして声の仕事や芝居に関すること、コーチングに関することなど、声優でありながらさまざまな活動を行っています。声優とそれ以外のお仕事の繋がるきっかけはどこにあったのでしょうか?
「子どもの頃から演劇が趣味だったんです。ただ、学生時代は英語関係の職に就きたいと思い、英語コースのある学校へ進みました。短大のときでしたが、役者でもあったカナダ人講師が出演していた舞台を観たことで、好きだった演劇をもっと本格的にやりたいと思うようになりました。踊りや歌の経験が少なかったこと、『あなたの声ってすごく可愛らしくて特徴あるよね』と言われたことの理由で、声優を志望して養成学校へ進みました。
 卒業後は青二プロダクションで活動を開始、複数の仕事の時間調整もあり、現在はフリーランスとして活動しています。芸歴が長くなるにつれ、声優の仕事以外に演技レッスンなども頼まれることが多くなってきました」。

EAPとの出会い

人に教える機会が多くなるなかで、技術的なことを教えながら、徐々に心理の大切さに気づいていったやなせさん。
「声優になりたい生徒達を教え始めた頃、とても繊細だと感じました。人の言葉や態度に対してとても敏感であったり、周囲との比較による気分変化が激しかったり、自己表現が必要な場を避けたり。当時はその理由や対応方法がわからず、レッスンのやり方を工夫するだけになっていました。また、演技の教え方も高めたいと思い、レベルアップのために『インプロ』という演技の訓練をうけることにしました。インプロとは、一言でいうと即興演劇のことです。
 演技の教え方を高める目的で学んだものでしたが、感情のコントロールやチームワークを意識すること、発想の転換など、多くの気づきがあり、結果として心理をより深く考えるようになりました。
 ちょうどその頃、好きだった英語からしばらく離れていたため、英語を学び直そうと考えました。まずは基礎を固めるため、子ども達に英語を教えることを選択しました。教えるなかで生徒達が英語のレッスンで見せている姿と、学校、家庭で見せている姿が異なることに気づいたり、保護者や生徒達からさまざまな相談を受けるうちに、不登校が増えている傾向があることなどを知りました。それで、発達段階に応じた子どもの心理と学習の仕方にも興味が出て、心理系の本やサイトをよく読むようにもなりました。
 演劇と英語で生徒達と接し続け、心理の知識が増えるにつれ、生徒と深い話ができるようになってきました。望む成長を妨げるものや心にある引っかかりは人それぞれであり、本人達が気づいてないこともあることを知りました。  私は講師ですが、生徒の望む目的のために、デリケートな部分へ踏み込む必要がある場合もあり、自分の不用意な言葉が、生徒達の人生にマイナスの影響を与えていないかと考えるようになりました。
 きちんと心理を学べる場所を探そうと、パンフレットを多数取り寄せ、そのなかから私が必要としている教えがあること、その他さまざまな条件を比較し、EAPを選び、すぐに入学しました。傾聴の奥深さや、何かしらの傾向がみられる方への接し方、リファーの仕方など、もっと早くから学んでおきたかったと思う一方、必要性を感じているそのときだからこそ、真摯に学べたのだろうと思います。  また、取り寄せたパンフレットのなかにコーチング系のものもありました。生徒達にはモチベーションの維持、目標達成、思い込みの解消などの要素も必要だと思いましたので、平行でコーチングを学び、翌年にはアメリカに行き、米国NLP協会™NLP認定コーチングトレーナーの資格を取得しました」。

3種類の学びから得られたもの

「カウンセリング、コーチング、インプロの学びは、現在の講師業のなかで大変役に立っています。生徒が目的のための学習をしていても、いつも何かが気になって自分のペースが乱れている、健康に影響が出ている、周囲と上手くいっていないと感じられる時には『カウンセリング』。問題のない状態でより良い状態になれるように前に向かっていきたいと感じられるときには『コーチング』。  出会って間もなく早く打ち解けてもらいたいとき、また動いて学ぶタイプの生徒、気分転換、いつもと違う他のアプローチが効果的と思われるときには『インプロ』。というふうに、生徒の状況、段階によって選んだり、組み合わせたりしています。
 どれも学んだきっかけは講師として周囲と関わるために必要だと思ったからでしたが、振り返ると私自身が癒やされ、成長させられている面があります。自分自身が過去に上手くいかなかったり、長く悩んでいたことについても、EAPの学びと照らし合わせて考えると、そのときの相手や私の心理や状況が『○○だったからなんだなぁ』と思えることが数多くあります。それらに気づくことによって、幾つかの過去と折り合いをつけることができたと思います」。

これからの想い

 声優と講師業を中心に活躍しているやなせさんですが、これからをどう考えているのでしょう。
「EAPの学びは続けていきますが、私は一つの分野だけを深く学習していくタイプではないようです。  仕事も、どちらか1ヵ所に属するよりも、フリーランスのまま個人で活動していく方が合っているようです。今後も何のレッスンのなかででも、「生徒の心をケアしつつ、楽しく、すぐに役立つレッスン」を提供していきたいです。
 また、仕事としては直接EAPのカウンセリングをすることはなくても、家族や周囲と接していて、何かしらマイナスを感じていると思われるときには、その方が向かいたい方向の助けができたら嬉しいです。
それと、『そういえばEAPという存在があるって聞いたことがある。学んでみようかな?または学んだ人を頼ってみようかな?』と、もし必要になったときに一人でも多くの方に思い出していただけるような活動を、私のできることから少しずつしていきたいですね。
 最近、Twitterの音声配信スペースでお喋りをしたり、『note』というサイトで文章を書くことを始めました。【声優×心理=?】というタイトルで、若い方々にも受け止めてもらいやすいよう、軽めで楽しく創っています。もちろんEAPに興味を持ってもらえるような話もしています。こちらの皆様からも参加やご教授願えますと嬉しいです。
 この先もフリーランスであることを活かし、フットワーク軽くEAPの学びを活かして、活動してまいります。盛り上げ係りが必要でしたら、お気軽にお声がけくださいね!(笑)」