千住 勝美
Katsumi SENJU
EMCA全国支部会東京ブロックの役員を2期に渡って担い、大勢の世話役に尽力する千住さんは、間違いなく行動派。明るくハキハキとした語りからは、アスリートのような雰囲気が伝わってきます。趣味はなんと!
〈Profile〉eMC2015年取得、東京都在住。賃貸管理会社リノベーション担当。
時代に合わせてバランスよく
千住さんは現在、小売りグループの賃貸事業セクションの会社に勤務し、賃貸物件の管理に係わる仕事をしています。その前は、同じ小売りグループの会社で店舗のウィンドウ演出やクリスマス装飾、イベントの企画・制作を長く担当していました。
「不動産業界においては昨今リノベーションが話題ですが、サステナブルな環境に配慮した取り組みも重要になっています。リノベーションの仕事は、元々あるものをベースにして新しいものを創造する、楽しい仕事でもあります。限られた予算のなかで、ニーズに応じたものを提供するというところは、腕の見せ所でもありますね」。
仕事を通して、時代の感覚も自然とバランスよく取り込まれている千住さん。さまざまな課題を解決しながら、生き生きと仕事をこなしている感じが伝わってきます。
「新卒で入社してから今日まで、同じ小売りグループに勤務しています。振り返ってみて、大きな変化や挫折はなく、先輩や同僚、取引先の方々など多くの方に支えられてきました。関わる人が皆、良い人ばかりで、いつも助けられてきました!とても運が良かったと思います」。
周囲への感謝の気持ちを忘れないように、という気持ちが伝わってきます。
どうしてeMCを?
「仕事において相手の方が何を伝えたいと思っているのか、もっとわかりたい、傾聴のスキルを高めたい、テクニカル的なことを学びたいといったところから、キャリアコンサルタントの勉強を始めました。その後、研鑽のために研修等を受けていたところ、カウンセラーも面白いなと思いまして。あと心理学にも興味がありました」。
現在はカウンセリングには直接係わる仕事ではないとのことですが、間接的に活かせています。
「施工業社、建築士等の多くの方とコミュニケーションを取る必要がありますので、相手の方が言おうとしていることをよく聴くようにしています。また、仕事で異動してきた方のパーソナルコーチを担当し、仕事等を教えることがあります。そんなときには、今まで学んできたことが、無意識に活かされているかもしれません」。
ボクシングで気分転換!
「忙しさからの気分転換? ボクシングをやっています。ボクシングジムに通っていて、それがストレス発散になっていると思います。プロボクサーを目指す若者も所属している本格的なジムなんです。そこにもう10年以上通っています。
サンドバッグを叩いていると、ストレス発散になりますね。週に1回は行くようにしているんですよ。プログラムを組んだ教室に参加していたこともありましたが、今はひたすらサンドバッグやミット打ちをしています。その時々で『ガツンとやりたい!』と思うこと(時々、人も・笑)が浮かんで、スッキリしているのかも? これも、心理学でいうところの無意識の世界でしょうか?」。
かっこいいファイティングポーズが浮かびます。
「ボクシングって男くさいっていう感じで、女性だとなかなか続かないことが多いんですけれど、私の場合は独りでトレーニングできるからかもしれません。始めた頃はすごく忙しかったので、チームで行うスポーツだと都合を調整する必要がありますけど、自身のペースでできたんですね。長く続いているのは、そんなシンプルな理由かもしれません。
ジムにはタイトルを狙うプロボクサーやプロを目指している人もいて、とにかく向上心の高い人たちの集まりですね。特に、プロとして戦う若者はケガや死に向き合っているということもあり、とても真剣です。そんな若者からも大いに刺激をもらっています。トレーニングもしながら仕事もして、彼らはとてもストイックなんです。精神的にもとても強いですね。そんな姿に私も頑張らなくてはと年下から刺激を受けるんです」。
仕事のことと同じくらいボクシングのことを熱く語る千住さん。最初のきっかけはなんだったのでしょうか。
「勤務先の近くにボクシングジムがあって、時々その前を通っていたのです。面白そうだなと思って。それがきっかけですね。音楽に合わせてボクシングをするプログラムがあったので、まずはそれを始めました。それが楽しくて、それからもう止められなくなってしまいましたね」。
ボクシングでのミット打ち中
京都への旅
千住さんは、一人でのんびりと過ごす時間も大切にしています。
「ボクシング以外の趣味というと、京都ですね。いろいろなところに行くのも趣味の一つですが、なかでも特に京都が好きで、コロナ禍の前にはよく行っていました。あてもなく京都の街を歩くのが好きです。大勢ではなくて、一人でしみじみと。
三十三間堂の先に智積院という寺院がありまして、そこの観音様のお顔が好きになってしまって。お顔を見て、「また来年も来ます」って言って帰ってくるという感じです。行ってみると、自分のやる気が減退しているなと感じることもあって。行くことが自分にとってのスケールになっているのかなと思います」。
久しぶりに秩父宮ラグビー場へ観戦!
これから
今の仕事を大事にしつつ、今後への夢が膨らんでいます。
「先日、令和5年東京大学学部入学式での馬渕俊介さんの祝辞に感動しちゃいました。
『夢は、探し続けて行動し続ける人にしか見つけることができない』『夢は、待っていれば突然、降ってくるもではありません。探し続けて、行動してみて、そのなかで少しづつ[彫刻]のように形作っていくものだと思います』と続きます。コロナ禍を経験して、我慢することに慣れてしまって諦めやすくなっていたりして、夢を探す余裕がなかった自分に気がついたから、感動したのかもしれません。
これからは仕事の定年も意識して、学び直しをしたいなと思っています。今はキャリアコンサルタントの講習を受けたり、初めてCP(カウンセリング・プラクティカム)に参加したりして。これまでに学んできたことが停滞してしまっている感じがあるので、学び直して自信をつけたいと思っています。今後、カウンセラーとして名乗って、困っている方を支援していきたいですね。
また、EMCA支部会の役員を担当することで、いろんな方にも接することができています。さまざまなネットワークを作っていって、ひとつの形にしていけたらなと思います。
会社ではウェルビーイングの取り組みが進められていますが、今は現在の仕事に注力して、今後、EAPのことに関わっていけたらと思います。そのためにカウンセラーのスキルをもっと高めていきたい。
これから多くの事例を学んで、メンタル不調の方が休職してしまう前に支援できたらと思います。多くの方と集まって、メンタルサポートができるサロンのようなものが作れたらいいな、と思います。そのためにも広くいろいろなことを知る、学び続けることが大切ですね」。
コロナ禍も落ち着きつつある今、夢を探すこころを取り戻して、また元気ハツラツと千住さんはリングに向かいます。